東京にてキックオフイベントを開催しました。
地域の移動課題に挑む「Community Drive プロジェクト」、3年目となるキックオフイベントを開催。
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2026年9月10日(木)に東京・竹橋にて「Community Drive プロジェクト」3年目のキックオフイベントを開催しました。企業・行政・地域の担い手など、普段なかなか一堂に会さない顔ぶれが集まる会になりました。
イベントの様子

プロジェクトが最初に掲げているのは、「地域の移動はみんなでつくる」という考え方です。
特定のサービスを導入して終わりにするのではなく、地域の人・企業・行政が対話し、課題を可視化しながら、実行可能な解決策を一緒につくっていく。そのための土壌づくりに、じっくり時間をかけていることがこのプロジェクトの特徴です。

イベント前半では、これまでの調査から見えてきた「持続する取り組み」の共通点も共有されました。
カギになるのは、1. 補助金に頼りきらない財源の複線化、2. 地域で旗を振る人の存在、3. その人を支える周囲の土壌の3つです。技術やサービスを先に導入しても、それを受け止める土壌がなければ長続きしない——そんな話に、うなずく参加者の姿もありました。

後半では、松江・豊岡・市原・福山・黒部、5つの地域からそれぞれの進捗が報告されました。
・松江:地域の生活を支えるタクシー・バス事業者が中心となり、「地域モビリティカンパニー」を目指す取り組みが動いています。8月には最初のワークショップを開催し、次回は市民向けに規模を拡大したワークショップも予定しているとのことです。運営会議には交通事業とは直接関わりのないスーパーマーケットなどの企業も加わり、データ分析や専門知識を持つ「モビリティプランナー」の認証・育成にも力を入れているとお話がありました。運送業という枠を越え、暮らしの困りごとに向き合う「地域の相談役」へと、役割を広げていこうとしています。
・豊岡:官民連携組織「豊岡スマートコミュニティ推進機構」と、すでに地域に根づいている福祉送迎サービス「ちょいのり」など、土台となる仕組みがすでにある地域です。一方で、実証後に資金や担い手が続かない、住民の困りごとと提供側の認識にずれが生じる、といった壁に直面してきたとお話がありました。そこで今回は、関係者が同じテーブルで課題を共有し直すためのツールとしてプログラムを活用しているとのことです。すでにある取り組みを、次の一歩にどうつなげていくかという挑戦が続いています。
・市原:孤独・孤立対策に取り組むなかで、移動の課題が見えてきたとお話がありました。2年前から行政と一緒に孤立対策の仕組みづくりを進めるなかで、移動課題が複数の地域課題に共通するテーマとして浮かび上がってきたそうです。最初のワークショップでは、住民一人ひとりが自分は何にワクワクするかを語り合うところから始めているのが特徴です。行政の複数の部署や地域の中間支援組織とも連携しながら、地域に担い手をどう増やしていくかに向き合っています。
・福山:人口約46万人、複数の自治体が合併してできた広域な市域で、地域ごとに異なる移動の課題に向き合っています。8月から月1回、駅前エリアと鞆の浦エリアに分けて定例会を開催しているとのことで、駅前エリアでは慢性的な渋滞やバス事業者の担い手不足、高齢化率約50%の鞆の浦エリアでは生活と観光の両立が課題だとお話がありました。一つの枠組みで語るのではなく、地域ごとに丁寧に向き合う進め方を続けています。
・黒部:3年目を迎え、住民・行政・企業・福祉関係者などが継続的に集まる体制が育ち、今年度は、メンバー自らが課題を発見し、仮説を立てた上で、実証する段階に進んでいるとのこと。具体的には、公共交通と地域の助け合いを組み合わせて、介護送迎にかかる時間を短縮する検証が行われているそうです。これまで積み上げてきた関係性が具体的なアクションにつながり始めています。

同じ「移動課題」でも、地域によってアプローチが異なる点が興味深いところです。このプロジェクトは今年度中にプログラムを完成させ、来年2月にはフォーラム・報告会も予定しています。
当日の資料について
9月10日の東京キックオフで使ったスライド資料は、ホームページのフォームからお申し込みいただくとダウンロードいただけます。まだ受け取れていない方、イベント参加が叶わなかった方はぜひご覧ください。
Community Driveプロジェクトについて
地域における移動の課題や未来に向き合い解決策を導き出し、地域(Community)の移動を促進(Drive)する人材である「コミュニティ・ドライバー」の育成と必要になるプログラムならびにツール開発を目指すプロジェクトです。福祉のDXを推進する一般社団法人SMARTふくしラボ(所在地:富山県黒部市)と建築・土木の設計監理、都市デザインを行う組織設計事務所・株式会社日建設計(所在地:東京都千代田区)、複雑な情報を図解で可視化する株式会社図解総研(所在地:東京都千代田区)により2024年7月に発足しました。開発したプログラムでは、実際に課題解決に取り組む地域の住民や企業、行政といった多様なセクターが集まり、データ活用をしながら、対話し、自分たちで未来の地域の移動を考えていきます。その過程で住民に主体性が生まれ、合意形成が促進し、「自分たちの移動を自分たちで考えていく」マインドを醸成します。本プロジェクトは、2024年度及び2025年度の国土交通省モビリティ人材育成モデル事業に採択されています。